On Your Markのイントロ転調

はてな匿名ダイアリー「CHAGE&ASKAの”On Your Mark”について 」より

J-POPを分析するときに調性を云々言うのは的外れと言われるかもしれないが、決してそんなことはないと思います。変ホ長調はベートーヴェンが「交響曲第3番(英雄)」で用いた「荘厳の響き」の調性、そして嬰ヘ長調は♯が6つ付いて、複雑で混沌とした響きを持つ。例えば、マーラーが「交響曲第10番」のアダージョで用いたのは嬰ヘ長調である。チャゲアスで変ホ長調の調性を探すと「PRIDE」や「Sons and Daughter~それよりも僕が伝えたいのは」を挙げることができます。ベートーヴェン「英雄」と同じく、どちらも荘厳の印象を私たちに与える曲です。しかしながら重要なのは、「On Your Mark」はこの荘厳の調性からすぐに転調する(=外れる)ということです。すなわち、この曲は、はじめから「英雄」からの「除け者」であり、「PRIDE」のように素朴かつ豪胆に歌い上げることさえ禁じられたものの歌なのです。したがって、「On Your Mark」ははじめからかなりひねくれた性格をもつ曲なのです。この冒頭の転調を聞いて、たしかに私たちはどこか言い知れぬ複雑さを覚えるのではないでしょうか。

「On Your Mark」は長きに渡って一番好きな曲だったので、いつかアレンジしなきゃ。
Gb MajorはCHAGE&ASKA楽曲の中では「夜のうちに」が該当。

  • 変ホ長調(Eb Major Scale)「荘厳の響き」
    • ベートーヴェン「交響曲第3番(英雄)」
    • CHAGE&ASKA「PRIDE」
    • CHAGE&ASKA「Sons and Daughter~それよりも僕が伝えたいのは」
  • 嬰ヘ長調(Gb Major Scale)「複雑・混沌」
    • マーラー「交響曲第10番」
    • CHAGE&ASKA「夜のうちに」

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