オリジナリティ

オリジナリティとは何か。

最近、オリジナリティのある演奏がしたいと思うようになった。
ただ漠然とした想いで、明確にこうしたいというものは無い。
それを少し自分なりに考えてみると、オリジナリティを通して得たいものは、持続と変化なのだと思い至る。

オリジナリティ。
たぶんこれは、人前で弾くことを意識してから思い始めたことだ。
ウクレレの可能性を研究するという視点だと、JakeやAldrine Guerreroの完全コピーを目指しているだけでとても楽しい。
また、ウクレレを知らない人に、「ウクレレという楽器も魅力的でしょ」という気持ちで弾く分には、オリジナリティなんてことは考えてない。
でも、友人の前で弾いて、それを自分の演奏と見られると、何だか居心地が悪いときがある。
完コピを目指している自分の演奏は、人様の演奏のコピーでしかないし、
しかもコピーを実現しているのは自分の能力ではなく、先生のコピーの精度の高さに依っている。

と、弱音めいたものに向き合ってみるに、演奏の持続性に自信がないのだと気づく。
今の自分は、人から与えられた演奏を再現しているだけであって、与えられるものが無くなったときに、何か残るんだろうか、というちょっとした不安。
たとえ何か残ったとしても、劣化版jakeが出来上がったんじゃあ意味がない。

そこで、オリジナリティという言葉を持ち出して来たわけだけれど、演奏の持続性ということを考えてみると、同時にオリジナリティは演奏の変化をも支えてくれるものなのだと気づく。

Jakeのウクレレを最初に聴いたときに感動した理由は、ウクレレという小さな楽器で様々なジャンルの音楽に挑戦していたからだ。
ウクレレらしい143や、ロックなBohemian rhapsody、琴のような音で聴かせるSakura sakura、スパニッシュなノリのLet’s dance、優しいバラードのTouchなど。
そしてそれら様々な楽曲には、ウクレレを通して感情が表出する、というJakeのオリジナリティが通底している。

オリジナリティのある演奏に憧れるのは、持続と変化があるからなんだろうな。
と、考えて少しすっきり。
大事にしたいのは、オリジナリティというより、持続と変化だ。
その過程でオリジナリティが生まれてくれればいいかな、くらいで。

どこかで渡部直己が言っていたけれど、
オリジナリティなんて、他との差異でしか測れない。
つまり、最初から自分の内部にある独自のもの、を指すのではなくて、アウトプットの過程の中で他と差異化しながら作られたり、あるいは後付けで名付けられるもの。
それだけのものでしか無いと考えれば、自然体でやれるだけやって、最終的に出てきたものをオリジナリティと受け止めれば良いだけの話だ。

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