CHAGE&ASKAのモーダルインターチェンジ(1)

気付いたモーダルインターチェンジを、順次まとめていく。
コードをI〜VIIで表記すれば、一般化してまとめることが出来るのだと知る。
結局、モーダルインターチェンジはコード進行の裏付けを与える理論でしかないので、最終的にはコード進行のパターンとして捉えて良いのだ。
とりあえず、今回は全てASKA曲。
PRIDEに引きずられて、主に別れの歌を分析。

PRIDE

メジャースケールの別れの歌。サビ。


I

IIm7

心の鍵

を壊


V7

I

III7

されて


VI

II7

くせない

ものがある


II


ダイアトニックコードを使うならIImのはずが、代わりにIIを利用。
「心の鍵を壊されても」は、トニック→サブドミナント→ドミナントと展開。
「無くせないものがある」は、トニック→サブドミナントに向かうところで、モーダルインターチェンジしている。

no doubt

同じく、メジャースケールの別れ歌。サビ前のところ。


IV maj7

生まれ出た


I add9

意味さえも感


V sus4

Vm 7

じた

のに


この「のに」の憂いの感じが好き。

V7の代わりに、Vm 7を利用。
トニック→ドミナントと来て、そのままモーダルインターチェンジ。

この曲は、この「のに」までは幸せな描写が続く。
「こんなに幸せだったのに、実は、今は」という大転換を彩るのが、ここのモーダルインターチェンジ。

Aメロ「頭を乗せ」も、ダイアトニック外のコードを使用している。
no doubtは、AメロBメロのコード進行が複雑だけど、サビはシンプルにダイアトニックコードだけで進行していく。

C-46

またもメジャースケールの別れの歌。


V

違う


VIm 7

IV

ところに

いるけど


I

V

いつか


VIm 7

Vm7

どこかで

君の幸


I

せに


「あのときの約束とは」「違うところにいるけど」「いつかどこかで君の幸せに」は、ほぼ同じ進行。
ただし、最後の「君の幸」でコードを変えつつ、モーダルインターチェンジ。
ダイアトニックコードならV7のはずが、Vm7になっている。
5番目のコードをモーダルインターチェンジさせているのは、「no doubt」と同じ。(前後のコード進行は違うけど)

歌詞は2番を引用した。
この曲は、1番の歌詞だけだと別れの歌かどうか、明確ではない。
おそらく、2番の「いつかどこかで君の幸せに 出会ってみたいと 確かめてみたいと ずっとずっと思ってる」まで来てようやく、別れの歌だと確信する。
(少なくとも自分はそうだった)
そんな瞬間を彩るのか、ここのモーダルインターチェンジ。

モーダルインターチェンジじゃないけど、次も不思議な進行。
VIb→VIIb→I と一音ずつ上がっていく。


VI m7

懐かしい


I

歌をレ


VI m7

コードで聴


VIb

VIIb

いて みた

くなった


IV

ーた やつさ


群れ

マイナースケールの暗い曲。


VII

背伸びは


III

VII

済んだ

天気は


I m

V

呑気だ

湿気た


IV m

III

マッチで

俺を


IV

湿らすな


「湿気た」でVmの代わりにV、
「湿らすな」でIVmの代わりにIVを利用。
VとVIにマイナーが付かないのは、アイオニアンモードだけ。
エオリアン(マイナー)からアイオニアン(メジャー)へのモーダルインターチェンジ。

備考

疑問

ASKAは曲を先に作ってから、詞を入れる。
だから、歌詞の盛り上がりとばっちり絶妙な位置にモーダルインターチェンジがあるのは、そこにその詞をはめ込んでいるからだ。
(そりゃ歌詞入れに時間かかるわ…。)

だとしたら、メロディだけの段階で、どうやってこのモーダルインターチェンジを思いつくのだろう。
「こうコード展開したら気持ち良い」という感触があるのかな。

参考

http://uke.wp.xdomain.jp/modal-interchange

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