洋楽っぽく歌う

ASKAは「洋楽っぽく歌う」ために、「粘っこく」歌っている。という話。
「粘っこく」の意味は具体的には分からないけれど、PRIDEアレンジの中で、洋楽っぽさを一つ発見したのでちょっと考えてみる。(※見つけたのは先生)
8分音符に同じ音を2つ乗せる、ということ。

まあ、本当に「洋楽っぽさ」なのかどうかは検証出来てないけれど、メロディを崩さずに歌詞を入れる技術には少なくとも関連していると思う。

PRIDE:思うようには

Aメロ「思うようにはいかないもんだな」を市販の楽譜と同じように表記したもの。
ポイントは「おも」のところ。
16分音符で同じ高さの音が2つ続いている。

pride_思うようには_16ビート表記

これを次のように書くと、洋楽っぽいものに近づく。
8分音符に「おも」と2つの音が乗っかっている。
洋楽ではこれはよく出てくる現象(次節)。

pride_思うようには_8ビート表記

Venus:Was burning like a silver flame

Shocking blueのvenus。
下記の「was」のところも、8分音符に「wa」と「s」という2つの音節が乗っている。

venus_was burning_8ビート表記
(あ、スペルミス発見。frame→flame)

16分音符に分割して書き直せば以下のようになる。
PRIDEと同じ形。
venus_was burning_16ビート表記

仮説

日本語らしさは、「こ」「ん」「に」「ち」「は」のように1つ1つの音が同じ拍子で発音されること。
俳句や短歌が音数を規定して成り立っているように、この1文字1音というこだわりがあるように思える。
古い日本の曲「さくら、さくら」とかもそんな感じの歌だし。
「子音+母音」が基本構造にあるから、かな。

英語らしさは、「was」「burn」「ing」のように、1つの塊の中に複数音節が混じってくる。
「子音+母音」という基本構造ではないから、不思議なアクセントになる。
そんなのが音楽にも現れて、1つの音符に複数の音節を乗せるということが多いのではないか。

もちろん、邦楽でも16ビートと8ビートが混在することはよくある。
でも良くあるのは、16分音符で音が段々に上がったり下がったりする形。
8分音符に2つの同じ音を乗せるというのは、ちょっと珍しい気もする。
ざっと見た感じ、スピッツにはそんなに出てこない、19にはよく出てくる。

さあ、本当かどうか。
仮に「洋楽っぽい」というのが嘘でも、8分音符に2つの音を乗せるというのが、1つのセンスであることが伺える。
まあ、今後検証していく仮説の1つ、ということで。

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